3.2 加住丘陵
前のページに戻る 次のページを見る 目次に戻る 表紙に戻る

3.2 加住丘陵

 加住丘陵は,八王子市の北部にあって,多摩川の支流秋川と浅川にはさまれ,丘陵内を東流する,谷地川の直線谷によって,北丘陵と南丘陵に分かれる.一般に,西部ほど壮年的丘陵地形を呈し,南東部は,起伏の緩やかな台地性地形をなし,東方は,平坦な日野台地に漸移する.丘陵の高度は西方に高く,雹留山付近で260m,東方に漸次低く,久保山付近で158mとなる.全体的に北丘陵は南丘陵より幾分低く,その差は西部ほど大きく30mに達する.しかし,地形はむしろ高い南丘陵のほうが緩やかで,北丘陵のほうが幾分けわしい.丘陵の北縁,谷地川,丘陵の南縁に沿うそれぞれ西北西−東北東方向の断層を想定し,断層運動によるものと考えれば説明しやすい.その方向性をもつ小断層は,川口川や北浅川の河岸や,川口丘陵(川口川と北浅川の間)を南北方向に通る山道の峠などでみられるが,なお上記の3列の断層線を引く十分な根拠とはされない.むしろ,多摩川本流や秋川の河床高度が浅川や谷地川のそれよりも20〜30m低いこと,及び北丘陵北縁に対する多摩川や秋川の側侵食が盛んであって,その影響が南丘陵南縁に対する浅川の側侵食よりも大きいことによると考えたほうが納得しやすい(藤本・壽圓・羽鳥・鈴木道夫,1962).

 加住丘陵の地形面は多摩面に対比され,ほぼ拝島橋から浅川橋に至る道路を境にして,西方のT1面(高度270〜170m)と東方のT2面(高度160〜130m)に分けられる,T1面地域はローム層で被覆されるが,丘陵背部にはその発達は薄く,特に北丘陵では三浦層群の露出する所が多い.南丘陵の谷野の切通しには三浦層群の加往礫層に不整合に重なる厚さ4mほどの多摩ローム層が分布するが,その層位は鍵層となる浮石層がみられず,はっきりしない.しかしその下限部に産する植物化石が,三浦層群の小宮砂層に不整合に重なる美根礫層にも産することから,T2面多摩ローム層と考えられる(羽鳥・壽圓,1958).加住丘陵のT1面は三浦層群の侵食地形が示す地形面と解される.T2面地域には多摩丘陵の鴛鴦沼にみるT2面多摩ローム層が発達している.北丘陵では美根礫層に整合に重なってみられるが,南丘陵では美根礫層の露出はまだ知られていない.

 加住丘陵の南西には,浅川の支流によって分けられる川口丘陵,恩方丘陵(北浅川と北沢川の間),元八王子丘陵(北沢川と慈根寺川の間),舟田丘陵(慈根寺川と南浅川の間)がある.西方諸丘陵のうち,川口丘陵以外は地形的にも地質的に加住丘陵に類似する.地形面は大部分T1面に属するが,舟田丘陵の東端部には多摩ローム層も厚く堆積している.

 加住丘陵や西方諸丘陵の谷系内には,多摩ローム層や下末吉ローム層を構成層とする河岸段丘が各所に認められる(付図3八王子付近の地質図).すなわち,T1面丘陵地域にT2面やS面が,T2面丘陵地域にS面が,それぞれ河岸段丘面として谷系内に入り込んでいる.西方諸丘陵では,それらは開析されて谷系にそってこれに直角に延びる山脚となって並列したり,その先端が河流によって側侵食され,わずかに残存している.多摩ローム層は東部のT2面地域では丘陵上に厚く発達するが,西部のT1面地域では丘陵上部にはみられず,谷間に堆積したものがT2面河岸段丘構成層としてみられることが多いのである.



前のページに戻る 次のページを見る 目次に戻る 表紙に戻る 文頭に帰る
3.2 加住丘陵