1.2 多摩川砂利の岩石学的組成
前のページに戻る 次のページを見る 目次に戻る 表紙に戻る

1.2 多摩川砂利の岩石学的組成

 砂利は鉄道線路用,道路用の他,コンクリート用として用いられるが,なかでも近代的な都市建設の進展とともに,コンクリート用砂利の需要は,増加の一途をたどってきた.
 そのなかにあって,多摩川の砂利は早くから,良質の砂利として有名であった.

 コンクリート用砂利は,弾力性に富むものが良質とされ,これは活石[いきいし]と呼ばれている.多摩川水系の水源地域には秩父古生層が広く発達しており,多摩川の砂利の多くは,この秩父古生層を母岩としている.特に本流に活石が多く,良質の砂利が散布していた.多摩川砂利の岩石学的組成を,他の河川と比較したのが図5.3.1である.多摩川の青梅付近の砂利についてみると硬砂岩が50% を占め,これに次ぐのが硅岩(23.9%)で,以下粘板岩(16.4%),軟砂岩(7.6%),その他(2.1%)の順となっている.軟砂岩が少ないのが特徴的である.下流部についてみると,硬砂岩が53.4%を占めるが,以下硅岩(19.6%),軟砂岩(15.9%),粘板岩(10.8%),その他(0.3%)の順で,軟砂岩の比率は上流の2倍になっている.これは中流部で浅川や秋川などの支流が合流するため,流域の第三紀層の砂岩が運ばれた結果である.そのため死石が多くなっている.しかし図5.3.1の富士川(山梨・静岡県),秋山川(栃木県),神流川(群馬県・埼玉県)と比べても,砂岩,特に硬砂岩の多いことが明白である.このことが多摩川砂利の名声を高めたといえる.



前のページに戻る 次のページを見る 目次に戻る 表紙に戻る 文頭に帰る
1.2 多摩川砂利の岩石学的組成