4.3 下流地域
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4.3 下流地域

 多摩川とのかかわりは少ないが,広く関東地方の南部では,「初瀬」とか「これさま」とかいう唄が,婚礼などの祝いの席で歌われている.川崎市内の旧農村では,この系統の祝い唄が,特に「五反田」という名で伝えられている(参80).この五反田というところは,川崎市多摩区東生田にあって,古くは多摩川の南岸に当たっていたという.そして,登戸から五反田に入ると,小さな居酒屋の前に,大きな榎の木も生えていたというのである.

  これほどの 旅のつかれに
  五反田の酒屋で 忘れたが」
  忘れても 忘れがたなや
  五反田の酒屋の 小娘子」
  鳥なれば 巣もかけたや
  五反田の境の あの榎」
  榎には 蔦がからまる
  娘には殿御が からまる

 大田区羽田では,「鎌倉節」や「ややこ」などの系統で,「羽田節」という祝い唄が残って,大漁などの宴席で歌われていた(参81).

  めでたいものは お酒もり
  松竹を 立ててそよ お酌ソリャ十七」
  めでたいものは 芋でそろ
  莖長く 葉を広く 子どもソリャあまたに」
  羽田はよいとこ 誰が讃めた
  前は海 裏は野崎 ソリャよし山



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