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高尾山薬王院の二王門・飯縄権現堂・不動堂および大師堂は江戸時代中期の建築群で都指定有形文化財,塩船観音寺の本堂・阿弥陀堂および仁王門は室町時代の建築になる重要文化財であり,武蔵御岳神社の旧本殿も室町建築で都指定有形文化財である.また小河内神社と五社神社の木造蔵王権現像等は平安時代の作で都指定文化財になっている.
これら寺院建築はそれぞれの地形を有効に利用し,散在的伽藍配置を示している.例えば塩船観音寺は低いながらも尾根に沿って仁王門・阿弥陀堂・本堂(観音堂)と漸々に上るように配置され,それぞれに注目に価する仏像群が安置されている.仏像は主として鎌倉・室町時代のものが多く,この地の豪族三田氏の修復・製作になるものがほとんどであろうとみられる.武蔵御岳神社にある国宝赤糸威大鎧は鎌倉幕府の創設に尽力した畠山重忠の奉納と伝えられ,鎌倉時代末期の製作になる紫裾濃大鎧(重要文化財)とともに白眉になっている.
武蔵御岳神社のある御岳山頂には信仰上の独特な御師(おし)集落がある.各地方の信者が講を形成して当神社に参詣するとき,それぞれの地方を分担する御師(先達)の坊に宿泊するという方法をとっており,どっしりした屋敷構えがわずかながら現在でもみられる.最近はこれら坊は信者以外の登山者にも宿泊させており,夏期には青少年の宿泊研修の場を提供している.