1.2 農業の現況
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1.2.1 農地

(1) 1農家当たり経営耕地面積

 1農家当たり経営耕地面積は国分寺市の81a,立川市の78aから丹波山村・奥多摩町・檜原村・大田区の18aにわたり,川崎市幸区は15aである.上流地域の平均は24a,中流域が49a,下流域が31aで,上流山間村の農業的基盤は極めて悪く,農業だけでは生活できない客観的条件となっている.他方地下水や水運を求めて始まった河口部の工業化によって,下流域も農業的基盤が破壊されて31a農家では自立できず,幸区・川崎区の川崎市都心地域でその現象がはっきり現れている.中流域が相対的に農業的基盤に恵まれてはいるが,5反百姓では自立できない.

(2)農地の構成

 田・畑・樹園地の耕地構成比をみると,水田率が高いのは日野市43.6%,国立市38.8%,稲城市30.8%,府中市30.5%で,浅川の合流点からやや下流部にかけての,偶然,古代に国衙を支えた武蔵の国の穀倉地域に当たっている.畑地率が8割を越えているのは大田区94.8%,丹波山村90.2%,幸区88.1%,檜原村84.8%で,上流山間村と都市化した区域である.(表8.3.1 多摩川流域の農地

 しかも,1農家当たり耕地面積が極度に狭い地域の農地はすべては畑であるといえる.樹園地率が高いのは小金井市68.2%,川崎区48.4%,調布市37.4%で,植木・苗木園の多い区市であり,1戸建て市民に庭木などを供給する農家が多い.

(3)耕地の借入れ・貸付け状況

 経営耕地を借入れしている農家率の高いのは小菅村41.1%,丹波山村30.9%,大田区21.3%で,これも山間村と都市化区に特徴的である.借入れ耕地はまだ少なく,大田区の14.0%,小菅村12.9%が最高で,経営耕地の半分以上を借地して経営するような西ドイツやイギリスのような農家は地価の高い日本では存在しない.

 借入れ農家1戸当たりでは小金井市37a,立川市35a,国分寺市33aで,借入れ農家率の高い山間村では5〜8aと猫の額ぐらいの農地を借り入れているにすぎず,離村した人のほんのわずかの耕地を借り入れるだけである.貸付け農家率が高いのは小菅村18.4%,日野市17.2%であるが,1戸当たり貸付け面積は19aと10aで小さなものである.むしろ立川市30a,大田区28aのほうが相対的に広い耕地を貸し付けている.耕地の貸借といった耕地の流動化は,山間村と都市化区でやや高いが,絶対面積は小さなものである.



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1.2 農業の現況