1.3 農業地域の変貌
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1.3 農業地域の変貌

1.3.1 農業の地盤沈下

 農家数の1950,1960,1970,1980年の変化と,農家率を指標に考察する.1950年を100とする指数でその後の農家の動きをみると,1960年までの減少が大きかったのは大田区などの下流地域である.上流地域は大きくみて農家数の指数は90台,中流地域は80台,下流地域は70前後とみることができる.しかし,農家率は1950年当時でも上流地域は7割合であるが,中流地域ではすでに10〜20%台のところが多く,下流地域ではすでに1桁台であった.1960年になると中流域でも農家率1桁台が多くなった.(表8.3.4 多摩川流域の農家の減少

 高度経済成長の影響が最も明瞭に現れている1970年は,農家数の指数は上・中・下流という捕らえ方では傾向を示さず,農村の破壊は個別的に進んだことを示している.府中市,世田谷区,小金井市,福生市,奥多摩町までが,20年前1950年の農家数の半分以下になってしまった.

 都市化の影響は大都市東京の都心から同じ円状に一様に進行するのではなくて,交通の便,電車庫の設置,ダムの完成など,局地的な変化条件によって都市化が進行した.1980年になると農家率は中流域以下ですべて1桁未満となった.多くは1%以下で,農家の存在は当該区市町にあっては点的・例外的存在となった.上流域の山間村のみ農家率がいまだ高く,小菅村55.3%,檜原村48.1%,丹波山村38.4%と続き,平地部の広い青梅市のみ1桁台となった.



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1.3 農業地域の変貌