2.3 青梅林業成立の基盤としての土地所有
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2.3 青梅林業成立の基盤としての土地所有

2.3.1 私有林の所有規模

 青梅林業地域では,すでに表8.3.13でみたように,都有林,特に水道水源林以外,国有林・公有林はあまり広くなく,私有林中心の経営である.その規模別所有状況は表8.3.16のようである.戸数をみると全体では20〜50ha層が201戸2.8%,50ha以上層が115戸1.6%で,20ha未満層は6,869戸で95%を超えている.所有面積でみると,全体では所有戸数が5%にも満たない20ha以上の所有者が67.2%の森林面績を所有している.一方,所有戸数の95%を占める20ha未満層の総面積は全体の1/3にも満たない.多摩川流域と秋川流域を比較すると,多摩川流域の50ha以上層のほうが1戸当たりの所有面積が大規模であることがわかる.

 松村(参29)は大規模所有者を四つの系譜に分類している.第1は中世の名主あるいは戦国土豪の流れをくみ,広い林野を保有してきたもの,第2は農民層の両極分解によって形成された上層農民,第3は商業高利貸資本家で土地利用を目的とせずに集積し,寄生地主的性格を有するもの,第4は賃かせぎ・高利貸しなどによって林業経営を行うために,土地を集積した農民である.

 第1・第2は手余地を林野に転換したが,経営は意欲的でなく,第3は土地を広く集積したものの,分収林・借地林の設定を認めながら自らは資本投下も少なく,積極的に経営していないものが多い.最も積極的な担い手は第4である.

 これら山林地主のうち,第3・第4の系譜の農民は,明治初年の土地所有の変革・官民有区分と,これに続く集落・組・村惣有地の解体過程を通じて土地を集中した者が多い.

 しかしながら,青梅林業地域では大部分が極めて零細な所有規模なため,林業を主業として営めるものは少なく,ほとんどが貯蓄的・資産保持的な性格を有している.そして表8.3.17に示した秋川流域の檜原村の事例のように,青梅林業地域では,一方では耕地を保有し,他方では林地を保有する農家林家が大部分である.檜原村では,531戸の林家のうち耕地を保有するものが81.2%を占めている.林地の保有階層をみると50ha以上層は全体の3.0%,5ha未満層は76.8%と極めて零細である.耕地も0.5ha未満層が全体の 77.8%を占め,零細性自給性の性格が強い.また,檜原村の山林は村外の山林地主へもかなり移動していることがわかる.



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