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(1) 伐期
青梅林業地域での標準伐期齢及び利用伐期齢は表8.3.27に示したとおりであるが,スギは35年前後,ヒノキは45年前後で伐採される場合が多い.これは足場丸太・小角材の生産に主体をおいてきたためである.
(2) 伐採季節
従来は,樹皮を屋根葺材料として利用する関係上,3月下旬〜10月中旬までが多かった.3月下旬〜6月上旬の伐採を「春伐り」,7月下旬〜10月中旬の伐採を「秋伐り」といっていたが,建築様式の変化等から,最近は樹皮を利用することも少なくなり,伐採も年間を通じて行われている.
(3) 伐採方法
伐木・造材の基本的方法は,他地域で行われている一般的な方法と同様である.立木生産者である山元から立木を求めて伐出したのが元締で,以前は杣(そま)・日用(ひよう)を雇って伐出した.彼らはともに10〜20人で組を構成し,杣は伐木・枝落とし・剥皮をして「リン切り」(写真8.3.1)を行った.この地域の技術では天然性の大径木を伐出することが困難であったから,近世後期には,木曽・飛騨から人を入れた.その技術の修得後彼らは関東山麓各地へ出稼ぎに出た.日用(ひよう)は杣の造材した原木を渡場(どば)まで運搬する.
「リン切り」を行うには,林地の勾配,樹齢,立木の大小等により異なるが,平均50〜60本を目標にして全林地より伐採単位を選定し,伐採単位ごとにその下方に伐採しつつ集材し,段状に積み上げる(これを「リン」と呼ぶ)のである.
リンの組み方は,伐木を始めるのに先立って伐木単位の下部に普通3〜4本の立木を横に見透して,なるべく各々の立木が一直線になるように選定する.また,選定した立木は,リン全体の重力に耐えうるものでなければならない.次にそれぞれの林地の勾配等に適応するように,選定した立木を適当な高さ(普通70〜120cm)に伐採し,「リン台」を造る.そして,適宜な長さに切断した丸太(「リン棒」と呼ぶ)をおき,その上に剥皮した伐木材を元口(もとくち),末口(すえくち)を交互に並列し,約10本をもって1段とし,5〜7段で終了する.約1〜3カ月間このままにして乾燥してから搬出する.
こうした施業は,相当長期間の経験を必要とするが,造材作業が早く,村積の見積りの早いこと,木材の早期乾燥など利点が多いため,青梅林業地域では長い間行われてきた.しかし,近年,集運材作業の機械化により,この伐採方法も少なくなった.