2.3 多摩丘陵・八王子盆地の変遷
前のページに戻る 次のページを見る 目次に戻る 表紙に戻る

2.3.3 多摩丘陵における住宅地の進出

 多摩丘陵における住宅地の進出は,地形上の制約,交通の不便などのため,武蔵野台地より遅れ,1960年ごろから盛んとなった.この地域の宅地開発の特色は,住宅・都市整備公団,東京都,東京都住宅供給公社などの公的機関や,電鉄会社,不動産会社などの民間資本が丘陵面に対して大規模な宅地造成を行っている点にある.すなわち,ブルトーザーなどの機械力を駆使して,丘陵面を削り取ったり,盛土をしたり,谷間を埋めたりして,階段化・平坦化を行い,自然景観を一変させた所が多い.

 それらの団地は,初め小田急線,京王線などの電車線に近い所から始まり,次第に中間の地域に拡大した.また丘陵の周辺から内部へ進行したといってもよい.主要なものをあげれば,日野市の多摩平団地(1958年,2,792戸,住宅公団),百草団地(1969年,2,028戸,住宅公団)高幡台団地(1970年,1,188戸,住宅公団),多摩市の桜ケ丘団地(1964年,1,577戸,京王帝都)などがある.また多摩川流域には入らないが,連続する町田市には極めて多数の住宅団地があり,団地都市とさえ呼ばれている.

 現在,特に大規模な開発が進行しているのは,多摩市を中心に,稲城,八王子,町田の4市域にまたがる多摩ニュータウンの事業である.多摩ニュータウンは東京都が計画する都市開発事業で,東西14km,南北1〜4kmの細長い区域で,総面積3,014ha,山手環状線内の面積の4割に当たる.1965年,開発計画が決定され,東京都,住宅・都市整備公団,東京都住宅供給公社などによって開発が進められている.

 23の住区ごとに住民サービスとしてのマーケット・病院・公園・小中学校などを設置し,全域的には上下水道と終末処理場の建設,鉄道と駅前広場の整備・都市センター(デパート・商店街・官庁など)を含む新都市が生まれる.1971年以来入居が開始され,多数の住宅ができ上がっている.1974〜1975年に京王・小田急の新線が区域内に延伸した.(図8.4.24 多摩ニュータウンの計画表8.4.10 多摩ニュータウン計画面積表

 なお,多摩川右岸の丘陵地としては,多摩丘陵,加住丘陵に続いて草花丘陵がある.草花丘陵は秋川市草花を中心に東西に連なる小丘陵で,高さは200〜300m,秋川・青梅.日の出の2市1町にまたがる.松や雑木林に覆われ,谷に水田や畑がある.青葉学園短大・草花団地・山ノ神団地・西多摩霊園・立川国際カントリーゴルフ場などがあるが,都市化はまだ端緒の段階にある.



前のページに戻る 次のページを見る 目次に戻る 表紙に戻る 文頭に帰る
2.3 多摩丘陵・八王子盆地の変遷