1.2 河川敷の植物群落(河辺植生)
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1.2.4 感潮域

 丸子橋付近に設置された調布取水堰は,東京湾の水位上昇に伴う海水や半かん水の遡上を妨げている.したがって,海水の影響を受ける河川敷はここより下流ということになる.この範囲の多摩川は多摩川大橋(国道1号線)付近で大きく蛇行しているが,両岸部の護岸形成は徹底しており,自然の河川敷は極めて狭い.(写真9.3.5 好窒素性草本植物の密生する下流の中州

 感潮域,すなわち塩水に感じる立地には耐塩性の植物により構成され,塩沼植生と呼ばれる植物群落が生育する.塩沼植生は本来内湾で遠浅な海岸の干潟に発達するもので,東京湾にはかつて広く分布していたものと考えられる.多摩川の河口部では多年生草本植物群落としてアイアシ群集,シオクグ群集,一年生草植物群落としてウラギク群落,ウシオツメクサ群落がみられる.さらに生育地が塩沼地に限らないものとしてヨシ群落があり,多摩川では最も広い面積を占めている.またウラギクはハマシオンとも呼ばれ,秋季紫色の花を咲かせるが,果実が風によって飛散されるため,その果実が,川崎市内の住宅地に大量に飛散し,当局に苦情が出たこともある.しかし塩沼植生は近年,著しく減少しつつあり,また干潟の生物の生息地としても重要であるため,その保全に注意を払う必要があろう(奥田1978)(参6).



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1.2 河川敷の植物群落(河辺植生)