3.3 変貌の指標
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3.3.2 蛾類が示す自然の変化

 ある地域に生息する生物の種類数や個体数,ひいてはそれらに基づいて計算される多様性指数*はその地域の生物的自然の“豊かさ”といったものの間接的な指標となり得よう.あるいは“豊かさ”というのは“生物の種類や量の多さ”と考えれば,それは指標というより“豊かさ”そのものとも考えられる.

 夏の夜に灯火に集まってくる蛾類はあまり人に歓迎されない存在であるが,その種類や個体数は多く,サンプル集めも容易であり,指標としての適性を備えていると思われる.蛾類の多くのものはその幼虫は植食性であり,かつそれが選ぶ食餌植物は,種によって1種あるいは少数種に限定されている場合が多い.このことはとりもなおさず,蛾の多様性はそのまま植生の多様性を表現することにもなる.

 多摩川流域10地点にライトトラップ(誘蛾灯)を設置して集められた蛾の種類と量についての報告がある(参17).誘蛾灯の設置場所を図9.3.9に,採集された蛾の個体数ならびに種類数を表9.3.13ならびに図9.3.10に示した.図にみられるとおり下流域に近いほど蛾の種類と量は減少していく.青梅市(No.6)が意外に低いランクにきているが,トラッブの設置場所が街の中であったこともあるがこの地域が見掛けよりずっと都市化が進んでいることを示しているとも考えることができる.


*多様性指数:ある地域に生息する生物の種類やそれぞれの種が持つ個体数,ならびに全体に対する各種類が有する個体数の割合などから計算される生物の多様さを表現する指数,シンプソンの多様性指数,マッカーサーの多様性指数など各種の指数が提唱されている.



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3.3 変貌の指標